- 現 職
- 株式会社SEN代表 / 建築家
- 略 歴
- 建築学 → 広告代理店
- 留学先
- Harvard University Graduate School of Design, Master of Architecture in Urban Design
はじめまして、神山財団3期生の各務太郎と申します。現在は株式会社SENの代表としてメンタルヘルスケア事業を行いながら建築家としても活動をしています。私は2015年9月よりHarvard Graduate School of Design(GSD)にて都市計画学を学びました。学部では建築を勉強しておりましたが、世界で起こるさまざまな問題の解決手段を、建築しか持っていないことはもったいないと感じ、あらゆるメディアをごちゃ混ぜにしながら大きな物語を描いていきたいという思いから、卒業後は広告代理店にてコピーライターとして働いておりました。ところが、2011年の東日本大震災、そして2020年に訪れる東京五輪のはざまで、仕事においても、より都市的な規模で日本を再考しなければならない機会が多くなりました。私はこの2年間の学びを通じて、従来の建築家の定義自体を大きく拡張させていきながら、日本が、そして地球が抱える難題に挑戦していきたいと思っております。神山財団には、その第一歩を踏み出すうえで、進むべき未来の指針を与えていただき、この上なく心強いサポートをしていただきました。
神山財団は以下のふたつの点で、自分が描く将来像を熟考させてくれる魅力的な場所です。
ひとつは、神山さんをはじめとした理事の方々が、今も現役でビジネスの第一線でご活躍されているということです。実現できないアイデアは、それが如何に面白いものであったとしても、クリエイティブとは言えません。財団のイベントでは、私の考えを、経営者の視点、投資家の視点、そして消費者の視点から鋭く突っ込んでいただき、大学院でのアカデミックな学びと社会とのブリッジを考え直す素晴らしい経験をさせていただきました。
もうひとつは、奨学生の持つビジョンの多様性です。イノベーションは、異なる分野の結節点で起こります。経営学、国際政治学、教育学等、普段決して対話をすることがないフィールドの学生とのディスカッションを通じて、「もしも、その分野の問題をデザインの力で解決するとしたら何ができるだろう」という新しい頭の使いかたをするようになりました。また、逆に建築が抱える課題を、ビジネスアイデア、公共政策的な観点、また教育の力でも解決できるかもしれない可能性を発見することができました。
神山財団は、留学中の2年間だけをサポートする財団ではありません。卒業後も、そして人生を通して自分を支えてくれるであろう、かけがえのないネットワークを築くことができる強いプラットフォームでもあります。大きな志を持った皆さんと、熱い議論を交わすのを楽しみにしております。