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春田紗良 HARUTA SARA

芸術支援プログラム 第4期生
東京藝術大学大学院出身
油画専攻

2017 東京藝術大学絵画科油画専攻 卒業
   台東区長賞、O氏記念賞、神山財団芸術支援プログラム 奨学第4期生
2019 東京藝術大学大学院美術研究科修士課程絵画(油画)専攻修了
   修了作品・帝京大学買い上げ賞、公益財団法人佐藤国際文化育英財団 佐藤美術奨学生
   神山財団第五回卒業成果展 「優秀賞」
2023 東京藝術大学大学院美術研究科博士後期課程美術研究領域(油画)専攻修了
   WATOWA ART AWARD 2023 ファイナリスト

春田紗良の作品画像
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奨学生となってじっくり自身の研究テーマと向き合う時間をとれた

私は現在、地元の愛知県を拠点に制作をしながら主に東京で展示をしております。2023年度に博士後期課程を修了してから社会に出て、少しずつですが作家としての人生を歩んでおります。
博士課程での学びは多大なものでしたが、その進路を選べたのも修士での経験が大きいと感じております。思い起こせば修士の二年間はあっという間でしたが、その際に神山財団からいただいた支援のおかげで自己を深く見つめることのできた期間となりました。あれから随分時が経ちましたが、その時期の絵を見ればすぐに当時の心境に戻れます。
この時期、私は自身の画風を大きく変化させていました。それまでのテーマであった「見えないひとびと(妖精)」を粒子として抽象化し描く方法はいったん消えて、より具象的に描かれた「妖精」の姿が目を引きます。当時の絵を見返すと色々複雑な思いも湧きおこりますが、描画方法を大きく変更するのは自分にとって挑戦でもありました。
新しいことにチャレンジするのはもちろん楽しいことでしたが、それまでに培った手法を捨てるのは苦しいことでもありました。自分の内にある弱さに絵を通して向き合った時期でもありました。当時を思い返すと、スランプがあったり壁にぶちあたったりしていて自分なりに辛いこともあったとは思うのですが、若いうちに自己の弱点と向き合えたのは良いことだったと今では感じております。そうした自分なりの学びや成長ができたのも、奨学生となってじっくり自身の研究テーマと向き合う時間をとれたからであると感じております。
これから奨学生になられる皆さまも、ぜひ自分自身の人生のテーマを見つけて、自己と向き合う豊かな期間を過ごされることを願っております。